多くの人が日常生活でノーマークな腸。しかし、調べれば調べるほど、腸はめちゃくちゃ重要な器官であることが最新の研究で明らかとなっている。ここでは、俺が「腸って大切だなー」と思った5つのポイントについて解説する。これを読んで「そうだ、腸をケアしよう」と思ってもらえれば幸いである。
オナニーしすぎると脳細胞が死ぬ
その言葉に、中学生の俺はどんなに戦慄したことか。
上記の説の真偽はさておき、巷には「脳はとってもデリケートで大切にしなきゃいけないよ!」と思わせるような情報がたくさん出回っている。他には、
- 喫煙は脳に悪い
- ドラッグは脳に悪い
- ヘドバンしすぎると脳細胞が死ぬ
……などなど、枚挙にいとまがない。
でも、「腸をケアしないとえらいことなるで」というのは今のところ聞いたことがない。ないからこそ、こうしてここを読んでくれたあなたにだけでも伝わってほしい。
目次
①人間は胎内でまず腸から作られる
お母様方はよくご存知かもしれないが、赤ちゃんはまず腸から形成される。
この凹んだところを「原口」というのだが、まずここから腸の原型ができていく。
残念ながらそれは肛門である
たしかに「原口」と名はついているがこれは肛門である。口はこれが抜けた先にできる。つまり、人間は肛門からできると言っても過言ではない。これは、生命維持に必要不可欠な栄養素を吸収するのに、何よりもまず腸が必要なため、脳や心臓よりも優先されていると考えられている。
②あなたが世界に誕生して最初に受け継ぐもの
お母さんの腸内細菌である。
あなたも俺も、この世に生まれ出る直前、膣を通るときにそこにいるお母さんの腸内細菌を受け継いで出て来た。※帝王切開の人は、最初に触った人の腸内細菌をもらうといわれている。
人間の腸内細菌の構成は一人ひとり異なるが、母子間ではかなり共通するパターンがあるため、腸内細菌は「第二の遺伝子」といわれている。
③脊髄と同じレベルの器官?~腸はタイツを履いている~
そう、ニューロンのタイツを。
ニューロンとは情報伝達などを行う神経細胞である。大脳に数百億個、小脳には1000億個のニューロンがあるとされている。実はこれ、腸にも存在していて、その数なんと1億個。大脳や小脳にある数と比べると圧倒的に少なくみえるが、1億個といえば脊髄と同じレベルである。それが腸の周りをタイツのように覆っている。
もうこの時点で、ただの「うんこ作るパイプ」なわけがない。
事実、1億個のニューロンを持つ脊髄は、脳をすっ飛ばして反射的に体に指示を出すことがある。有名な脊髄反射だ。同じように、腸もこの発達した神経ネットワークで、脳から独立して動く器官であり、また脳とリンクしている(腸脳相関)器官なのである。
④幸福感の源!セロトニンの生産拠点である
もうこれ。腸が重要な器官である理由ここに極まれりといってもいい。
セロトニンとは、
- 幸福感、充実感
- ストレスへの抵抗力
- テンション
- 集中力
- 深い睡眠
を司る、超重要ホルモンだ。セロトニンは脳でも作られるのだが、腸で作られる量と比べるとわずか10%にも満たない。だからセロトニンを作っているのは腸なのだ。
これが、腸内環境が乱れて腸内が悪玉菌優勢になり、セロトニンを作る腸内細菌が少なくなると、「なんか気分が暗い」「なんか知らんけど不安」「集中できない」「眠れない」といった精神状態になる。世にいう「うつ病」だ。
「うつ病」というものが世に認知され始めたときに、「朝日を浴びると脳内でセロトニンが出るから朝日を浴びよう!」というのがセットで広まったと記憶しているが、なぜ圧倒的に少ないほうの情報が積極的に流布されたのか?腸内環境をケアされると困る連中でもいるのか……?などと考えてしまうのは俺だけだろうか。
精神のバランスを崩してしまう人のほとんどが腸の不調も併発している、というのも、セロトニンのはたらきと、腸でその大半が作らているということから考えると納得がいく。
⑤腸には全身の6割の免疫機能が集中している
腸は体の内側でありながら、外から入ってきた食物などに晒されているという点では外側である。しかも、栄養分を吸収するための、体内へとつながる微細な穴(孔)もあるので、害になりうる侵入者はなんとしても食い止めなければならない。そのため、腸、とくに小腸に免疫機能が集中している。
実際、マウスを用いた実験では、無菌状態で育てたマウス(無菌マウス)は、そうでないマウスに比べて、重要な免疫細胞の数が圧倒的に少なく、病気に弱いということがわかっている。※後者の腸内細菌を「移植」すると改善することも確認されている。
つまり、腸内環境が乱れると免疫力が下がるのだ。
なんか最近、首から下げておけば周囲の菌をやっつけてくれるアイテムとか、除菌スプレーとか、いろいろ出回っているが、腸内環境をちゃんとケアしたほうがいいと思う。
おわりに
俺が腸内環境のケアが大切だと思うのは、心身の健康ということを考えたときに、腸がカバーしている範囲があまりにも大きいからだ。何はさておき腸内環境をケアしておけば、とりあえずセロトニンは出て心はハッピー。そして、免疫の6割をカバーしているのだから、病気になる確率もグンと減る。
人間、一度にできることも、与えられた時間も限られているわけだし、できることなら好きなこと、やりたいことに思う存分それらを使いたいものだ。腸内環境のケアは、人生を効率的にしてくれる。
ぜひあなたも、今から腸内環境を意識した生活をしてみてほしい。
コメントを残す